みんなで考える市⺠公開講座シリーズ

「⽪膚の病気 患者さんの笑顔のために」
記録集
第1回
皮膚の病気の患者さんが
受ける誤解
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日時:2021年9月26日(日) 13:00~14:00
主催:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
後援:一般社団法人 INSPIRE JAPAN WPD 乾癬啓発普及協会/NPO法人 東京乾癬の会 P-PAT/
認定NPO法人 日本アレルギー友の会
質疑応答
講演に続いて行われた質疑応答では、
周囲とのコミュニケーションや正しい情報を
得る方法など、多くの質問が寄せられました。
その中から、いくつかの質問をご紹介します。
症状が悪化し、他人の視線が気になるときはどうすれば良いでしょうか。
丸山さん
私も皮疹が悪化したときなど、とにかく髪の毛や洋服で隠したい、人目を避けたいと思うことがありました。でも、そういうときこそ笑顔で対応するようにすると良いですね。周囲の人も皮膚よりその人自身の個性や良さに目を向けるようになります。他人の視線は気になりますが、そんなときこそ、どういう自分でありたいかを考え、自分らしさを保つように努めると良いと思います。
常深先生
たとえば腕に皮疹がある患者さんで、夏場はずっと長袖で過ごす方がおられます。隠したい気持ちは分かりますが、思い切って半袖を着てみるのも良いと思います。あえて半袖を着るということでなく、自分らしいスタイルを重視して日常生活を過ごすということです。しっかりと治療を続けることによって症状が改善し、自分らしいスタイルで過ごすことに自信がつくと良いですね。
病気に関して知識を得ようとする際、どのような情報を参考にすべきですか。
常深先生
世の中には、病気や治療法に関するさまざまな情報があふれており、なかには注意が必要なものもあります。まずは日本皮膚科学会や公的機関など、信頼性の高い機関のホームページなどから情報を得るようにして下さい。そこで基本的な知識を得ておけば、他のサイトに誤りがあったときに気づくことができます。ただ、医療は日々進歩しており、患者さんが最新情報を入手し続けるのは大変かもしれません。気になることがあれば、医師に質問、相談することをお勧めします。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響について常深先生のご講演の中で触れられていましたが、世の中の病気に対して我々はどのような意識で接していくべきでしょうか?
常深先生
新型コロナウイルス感染症をめぐっては大変な状況にありますが、見方を変えると、皆さんの意識を変えていくいい機会でもあると思います。新型コロナに限らず、病気はご本人の責任ではありません。誰がいつかかってもおかしくない状況であり、かかった人をみんなでサポートしてやっていこう、という考え方が非常に大事です。現状を一つの機会と捉えて、積極的に頭の中を切り替えていきたいと思います。
ご自身の疾患と付き合っていく中、周囲の方の対応でうれしかったことがあれば教えてください。
丸山さん
一番うれしいのは、普通に接してくれることです。顔や皮膚の症状を見て驚かれる方もいるのですが、そこを何とか抑えて、普通に、ひとりの人間として付き合っていただくのが一番うれしいです。同情されてしまうと反対に違和感を持ち、私としてもどう対応していいか分からないので、普通の人間対人間として接していただけるのが一番うれしいです。