(のうほうせいかんせん)

膿疱性乾癬

監修 :藤田医科大学医学部 皮膚科学講座 教授 杉浦 一充 先生
監修 :藤田医科大学医学部 皮膚科学講座
教授 杉浦 一充 先生
監修 :藤田医科大学医学部 皮膚科学講座
教授 杉浦 一充 先生
膿疱性乾癬の写真

写真提供:森田 明理 先生
(名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学 教授)
小宮根真弓, ほか. 困ったときに役立つSTEP UP乾癬診療.
東京: メディカルレビュー社; 2019. より作成

膿疱性乾癬の症状例

乾癬のうち、発熱や倦怠感、皮膚の潮紅とともに無菌性の膿疱うみを持った水疱がたくさん現れるタイプのものを膿疱性乾癬といいます1)2)。膿疱性乾癬は限局型(発疹・膿疱が身体の一部に出ている状態)と汎発型(発疹・膿疱が全身に広がっている状態)に分類されます。発症頻度は約1%3)、尋常性乾癬の経過中に生じることもあれば、乾癬の症状がないのに突然生じることもあり、いったんよくなっても症状が繰り返されることがあります。膿疱性乾癬(汎発型)は、難治性であることや治療に急を要することなどから、厚生労働省が定める指定難病に指定されています2)
膿疱性乾癬の発症にはIL-36というサイトカインが関わっていると考えられています。尋常性乾癬の症状がなく膿疱性乾癬を発症した患者さんの多くは、このIL-36という炎症性サイトカインの働きを抑える物質の機能が著しく低下していることが明らかになりました2)4)。ただ、これらの機能の低下もすべての患者さんに認められるわけではなく、原因は現在のところはっきりとは分かってはいません。感染症や妊娠などを契機として、皮膚の細胞が分泌するサイトカインが高熱の原因となり、血液中の白血球を皮膚に呼び寄せて膿疱を形成すると考えられています2)

膿疱性乾癬について詳しく知りたい方はこちら
参考⽂献
1)
清水宏. あたらしい皮膚科学第3版. 東京: 中山書店; 2018.
2)
難病情報センター. 膿疱性乾癬(汎発型)(指定難病37) https://www.nanbyou.or.jp/entry/313
3)
山本俊幸 編. 乾癬・掌蹠膿疱症 病態の理解と治療最前線. 東京: 中山書店; 2020.
4)
杉浦一充. 日皮会誌. 2019; 129: 1311-5.